令和の糞掃衣(ふんぞうえ)プロジェクト
〜皆で作る祈りの袈裟〜
大本山 須磨寺(神戸市須磨区)において聖徳太子が纏ったとされる、日本最古の糞掃衣(袈裟)の再現プロジェクトをスタート致します。
2023年7月18日(火曜日)より、大本山須磨寺(神戸市須磨区)において、奈良国立博物館三田覚之主任研究員と、「縁樹の糸(社名:株式会社シンサイカトー本社:大阪市北区)」加藤貴章代表監修のもと、須磨寺に参拝される人々とともに、聖徳太子が纏ったとされる日本最古の糞掃衣(袈裟)を再現する「令和の糞掃衣プロジェクト」を立ち上げます。
本プロジェクトでは、お釈迦様の十大弟子である、天眼第一と称せられた阿那律尊者の袈裟を、お釈迦様も含め、皆が協力して縫い上げたという故事に習い、須磨寺に参拝される皆さまお一人お一人の手をお借りして、一針一針を紡ぎ作り制作するプロジェクトとなります。
糞掃衣とは
糞掃衣とは、不要になったぼろ裂を洗い清め、重ね合わせて縫い綴った袈裟のこと。
日本最古とされる糞掃衣
東京国立博物館に保管される糞掃衣は、さまざまな色と不定型な形の麻布を重ね合わせ、細かく刺し縫いし、四周に紺色の麻布の縁(ふち)をめぐらしています。
現在は多くが欠失しますが、縁が一部遺っていることで、当初の糞掃衣の形状を知ることができる点、貴重な作品といえます。
全体に色あせた色調といい、麻という質素な素材から、いかにも使い古して廃棄されたぼろ裂を集めたようで、糞掃衣としての本義を示しているようにみえます。この糞掃衣を収めていた箱には、「聖徳太子糞掃衣」と墨書されています。


麻製 266.0×143.0 奈良時代・8 世紀 東京国立博物館所蔵


開催スケジュール
- 日時
- 7月18日(火)午前9時〜15時
8月18日(金)午前9時〜15時
9月22日(金)午前9時〜15時
9月23日(土)午前9時〜15時
9月24日(日)午前9時〜15時
10月18日(水)午前9時〜15時 - 場所
- 須磨寺本坊 表座敷にて
「令和の糞掃衣プロジェクト」開催の経緯
本プロジェクトは、令和5年1月に逝去された山口県般若寺の住職、福嶋弘昭僧正が計画し、実現に向け準備を進めていた未完のプロジェクトでした。
福嶋僧正は、「大乗仏教の心(衆生済度)を取り戻す」「世界を平和にする」ことへ強い想いを持ち続け、「和を以て貴しとなす」と説かれた聖徳太子の精神を令和の時代に受け継ぎ実現させるために、聖徳太子の糞掃衣を作り、それを纏って祈ることを考えておられました。
福嶋僧正が生前、作る袈裟三つのうちの一つを、須磨寺の小池陽人に渡したいとおっしゃっていたことを、縁樹の糸の代表である加藤氏から教わり、須磨寺として、本プロジェクトを引き継ぐことと致しました。
お釈迦様の教えの象徴、仏法の象徴ともいえる袈裟を縫うことは、はかり知れない功徳が得られると言われております。
亡くなられた福嶋僧正への想い、そして、衆生済度や世界平和への想いを込め、本プロジェクトを執り行わせて頂きたいと思います。
どうぞ、よろしくお願い致します。
本件についての問い合わせ先
担当:寺務長 小池陽人
須磨寺本坊寺務所
TEL.078-731-0416
メール:sumadera@sea.plala.or.jp